第3章 はじめましての訓練
それでも、送り出す覚悟
を部屋まで送り届けた後、
ホークスはひとり屋上に立っていた。
街の明かりが遠く瞬く。
(……置いていかれるの、俺の方かよ)
冗談みたいだった。
いつも横にいた小さな影が、
突然いなくなる。
毎日一緒に飛んで、
笑って、
プリンで喧嘩して、
翼を支えて、
背中を押してきた。
(……寂しいな)
でもそれをには見せられない。
だってホークスは——
“の初めてのヒーロー”だから。
風が彼の赤い羽根を揺らす。
「……行ってこいよ、
ちゃんと……幸せになれ。」
そう呟き、
ホークスは夜空へ飛び上がった。
その姿は強く見えたが、
誰より寂しげでもあった。