第3章 はじめましての訓練
【が外の世界に出る】
——それは喜ばしいはずなのに
その日の夕方。
薄いオレンジの光が訓練室に差し込んでいた。
ホークスは、羽根を翼に戻しながら息を整えた。
横でが汗を拭き、
いつものように笑って話しかける。
「ホークス、今日の空中訓練、めっちゃ高かったね!」
「お、やっと楽しくなってきたか?」
「うん! ホークスと飛ぶなら全然怖くないもん」
「だよな、俺のおかげだよな。
ほら言ってみ?」
「出たよ……“ホークスは天才です”って言えばいい?」
「正解!」
軽口を交わせるようになった。
訓練が楽しくなった。
空を一緒に飛べるようになった。
だからこそ——
今日この時間が
“終わるかもしれない”なんて、
まだ想像できなかった。