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ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


数日間、訓練は続いた。
・光が弱すぎる
・逆に暴走する
・対象(小さな模型)に上手く当てられない

失敗が続くたび、
の表情は曇っていった。

ある日、委員長が観察中に言う。

「どうやら“救わなきゃいけない”と感じると、
トラウマが反応し、個性が暴走するようだな。」

は胸を押さえて小さく震えた。

(ママ……パパ……)

心の奥で何度もよみがえる光景。
痛み、叫び、血、焼け焦げた匂い。

指が震え、光が乱れ、
訓練を中断することもしばしばだった。

そんなの様子を見たホークスは、
ある日ふっと笑った。

「おーい、
ちょっと散歩行くか。」

「……え?」
_______

“まず気分を軽くすること”

連れてきたのは公安の屋上だった。

夕焼けの空の下、風が気持ちよく流れている。

「なぁ
個性ってさ、気分で変わるんだよ。」

ホークスは軽い声で続けた。

「楽しい時の俺は羽根がよく動く。
怒ってる時は硬くなる。
悲しい時は重くなる。」

はぱちぱち瞬きをして聞いている。

「だから宣言する。
今日の訓練は——」

ホークスはを抱き上げ、

「高い高〜い!!」

「きゃあああ!?!?」

くるっと一回転してキャッチ。

は大パニック。

「ひゃっ……!
お、落ちるぅぅ!!」

「落とすかよ。お前は軽いし俺は速い。」

怒りながらも頬をふくらませてるが可愛くて、
ホークスはつい笑う。

「……もう!! こわい!!」

「でも笑ってんじゃん。」

「わ、笑ってない!!」

でも目はうるうるしながら、
確かに少し楽しそうだった。

ホークスはそのまま屋上の端に座り、
肩を貸すようにを隣に座らせた。

「な?
気持ち軽くなったろ。」

はもじもじしながら、

「……ちょっとだけ……」

「そりゃよかった。
じゃあ一回だけ光の練習しようぜ。
失敗しても怒んねぇからさ。」

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