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ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


“誰も救えなかった”手が、初めて誰かを助けた

ホークスは自分の手の甲を差し出した。

「ちょっとだけ切ったからさ。
治してくれよ。」

「え!? だ、だめ!
ホークス血……!」

「大丈夫だって。
“少し痛いの治す”だけでいい。
俺は死なねぇよ。
安心しろ。」

は迷った末、
震える手でホークスの手を包むように触れた。

(たすけたい……
ホークス、、痛いの、やだ……)

その一瞬——
いつもの暴走の熱ではなく、
あたたかい光がじわっと生まれた。

「……あ……」

光は優しくホークスの手を包んだ。

痛みがふっと消える。

「おっ、すげぇ。
ちゃんと狙って出せたじゃん。」

「ほ、ほんとに……できた……?」

は信じられないように
自分の手を見つめた。

(あんなに怖かったのに……
痛みが思い出されて手が震えたのに……
どうして今日はできたんだろ……)

その答えは、
彼女自身の口から小さくこぼれた。

「……ホークスが……いてくれたから……?」

ホークスは照れくさそうに笑い、

「だろ?俺は頼りになるんだよ。」

「……うん!」

この日、公安に記録された。

“、治癒個性コントロールの第一段階達成”

しかし本当の意味で大きいのは、
“自身が初めて自分の力で誰かを助けられた”という事実だった。

彼女の胸の奥で、
新しい自信の芽が静かに息を吹いた。
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