第3章 はじめましての訓練
その言葉に、ホークスの胸が強く締まった。
(そうだよな……
あの子にとって“いなくなる恐怖”は
人よりずっと重いんだ……)
ホークスはの頭をそっと撫でて言った。
「俺は消えねぇよ。
仕事で離れることはあるけど……
の前から“いなくなる”気は、これっぽっちもねぇ。」
「……ほんと……?」
「おう。
は……俺が守んだろ。」
何も気負わず言ったひと言だったが、
には世界の全部を肯定されたように響いた。
小さな指がぎゅっと服を掴み直す。
「……おかえりホークス」
「ただいま」
そのやり取りは、
二人が初めて“家族みたいな絆”を感じた瞬間だった。
涙でぐしゃぐしゃのまま、
はホークスの腕の中で力が抜けていく。
「……もう……いかない……?」
「今夜はいかねぇよ。
任務ねぇし。」
「よかった……」
ほっとした声のあと、
すぅ……と小さく寝息が聞こえた。
ホークスは眠るを抱き上げ、
布団にそっと横たえた。
その横で、ホークスはぽつり。
「……守らなきゃな。」
決意とも、誓いとも違う。
もっと素直で静かな気持ち。
“あの子は俺の帰りを待つ”
それが彼を強くしていくのは、この日からだった。