第3章 はじめましての訓練
市街地を模したエリアに着くと、
委員長と数人の監督官が待っていた。
「本日の任務は、市民の救助と巡回。
危険は一切ないが、ふたりの連携を確認したい」
ホークスは胸を張る。
「任せとけって。オレらなら余裕」
隣で、はぎゅっと唇を結んだ。
「……がんばる」
委員長は微笑んで頷いた。
「焦らなくていい。
君たちは、ただ“いつものように”動けばいい」
その言葉に、の緊張が少し溶けた。
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人が疎らに配置された市街地。
市民役の公安職員たちが、日常の動きを演じている。
ホークスはの頭をぽんと触る。
「最初は巡回からな。
怖かったらすぐ言え」
「だいじょうぶ。ホークスがいるから」
その言葉に、ホークスは目を細める。
(ほんと……この子は……)
が小さく走って、落ちていたハンカチを拾い
市民役のお姉さんに渡す。
「これ、落としました……」
「ありがとう、ヒーローさん」
ちょっと照れたように微笑む。
ホークスは後ろから小声で言う。
「……可愛い」
「え?」
「なんも言ってねぇよ」
耳まで赤い。