第3章 はじめましての訓練
コンビになって数ヶ月後。
の個性は明らかに安定してきていた。
●「治癒」の精度
小さな怪我なら一瞬で治るようになり、
筋肉疲労や軽い火傷も治せるようになった。
「すげぇじゃん、。
普通の治癒持ちより早いかもしれねぇぞ」
「ほんと……?嬉しい……!」
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●「コピー」の制御
暴走しかけても、ホークスが呼吸を合わせれば
わずか数秒で落ち着くようになった。
だが——
委員長は一つだけ懸念を口にする。
「“完全発現型”はまだ危険だ。
の体には大人の負荷がかかる」
ホークスも真剣に言う。
「だから焦んな。
完成形になるまで、何年でも付き合うから」
はその言葉に救われる。
周りは皆“武器”として彼女を見ていたが、
ホークスだけは“人”として見てくれた。
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ある日。
委員長がホークスとに新しい告知をする。
「ホークス、。
ふたりには正式に“模擬任務”に参加してもらう」
「模擬……任務?」
は不安げにホークスの袖を握る。
委員長は優しく説明した。
「危険は一切ない。
だが、実際の市街地を使ってヒーロー行動の練習をする」
ホークスは軽く羽根を揺らしながら笑う。
「つまりデートみたいなもんだよ」
「で、でーと……?」
が真っ赤になり、委員長がむせた。
「ホ、ホークスくん、余計な言い方を……!」
ホークスは悪びれもせず笑う。
「冗談冗談。でもまぁ、ちゃんと一緒に動けるなら、なんでも楽しいけどな」
「〜〜っ!」
は顔を覆ったまま震える。