第3章 はじめましての訓練
委員長は深呼吸を一つ置いて、重大な発表をする。
「ホークスとを“公安指定コンビ”として正式に任命する」
の目が大きく見開かれた。
「え……ホークスと……一緒に……?」
ホークスは腕を組んだまま、にやりと笑う。
「ほらな。言ったろ?
オレたち、相性最強だって」
委員長は真面目に続けた。
「ただし、まだは6歳。
危険な任務に連れて行く事はできない。
だが、訓練や模擬任務では、正式にホークスの“相棒”として扱う」
ホークスは少し姿勢を正して、真剣な顔でを見る。
「……」
「っ……」
「これからは正式に、“オレの相棒”だ。
よろしくな」
の胸が熱くなる。
ずっと一緒だったから言葉にしなくても分かってた。
でも、こうして正式に言われると
涙が出そうになるほど嬉しい。
「……うん。よろしく……ホークス」
“コンビ認定”された日から、ふたりの生活はさらに近くなった。
● 朝
ホークスがの髪をとかしてあげる。
「おい、寝癖。鳥の巣?」
「むぅ……ホークスの羽根より綺麗だもん」
「はいはい。じゃあ鳥の名誉のために整えますよっと」
くすぐったくて、嬉しくて、くすぐったくて。
⸻
● 朝食
ホークスが料理担当の日は、が横で補助する。
「ねぇホークス、卵割るのやってみたい!」
「前回床に落としたよな?」
「次は……がんばる……!」
「その顔に弱ぇんだよなぁ……よし、1個だけチャレンジ」
結果:やっぱり落とした。
「…………」
「……ちゃん、泣くなって。キッチンは死にゃしねぇよ」
⸻
● 訓練
ホークスの羽根で空中に浮かびながら個性制御。
「ゆっくり、呼吸合わせて飛べ。焦るな」
「うん……っ……!」
ホークスはを落とさないために常に背後に付いて、
必要な時は瞬時に支える。
その温かさが、の恐怖を消す。
● 夜
が悪夢で泣くと—
ホークスは静かに隣の椅子に座る。
「眠れるまで一緒にいる。
ほら、羽根触るか?」
「……うん……」
赤い羽根を撫でれば、安心する。
「大丈夫。オレがいる。
絶対に一人にしねぇよ」
その言葉は、失った家族の記憶すら包む温度だった。