• テキストサイズ

ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


だが、次の瞬間。

――ぐらっ。

空気が縦に揺れた。
訓練場の微かな気流がの小さな体をすくい上げ、ふわっと高く持ち上げてしまった。

「ひあっ……!? た、高い……むり……むりむりむり……!」

羽ばたきが乱れ、身体がぶれる。

ホークスはすかさず羽根を数十枚放ち、空中で“安全ネット”のようにの下に滑り込ませた。

「ちゃん、落ち着いて!
深呼吸! ほら、オレ見て!」

は震える目でホークスを見つめる。
視界が涙で滲む。

離れれば、もう二度と戻れない気がして。

飛べば、あの日のように、大切なものを失う気がして。

「やっぱ……こわいよ……」

「……そっか」

ホークスはを抱き寄せ、羽で包んだ。
その体温が、ゆっくりと恐怖を溶かしていく。

「飛ぶってのはさ、空が怖くないやつがするもんじゃない。
怖いのに、それでも上を向けるやつが飛ぶんだよ」

抱きしめながら、彼は続けた。

「ちゃんは、ちゃんと“空を怖い”って思えてる。
だから偉い。
……怖がりながら立ち向かうやつの方が強いんだ」

その言葉に、の肩の力が少し抜けた
/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp