• テキストサイズ

ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


公安敷地内にある専用訓練場。
高い天井と風の通る開けたスペースで、ホークスが軽く羽ばたくと赤い羽が宙を舞った。

「まずは背中の力を抜いて。
羽根、ちょっと上向くようにして……そうそう」

の背中から伸びた紅翼が、震えるように羽ばたいた。

「ふぅ……っ、怖くない、怖くない……」

は自分に言い聞かせるように呟く。

その手をそっと握ってくれたのは、ホークスだった。

「大丈夫。オレがいる。
落ちそうになったら全部の羽で支えてやるからさ」

「……うん」

ホークスはの手を離し、少し距離を取った。
空気がふわりと軽くなる。

「まずはふわっと浮くだけね。
飛ぶんじゃなくて、風に持ち上げてもらう感じ」

はそっと羽ばたいた。

――ばさっ……。

一瞬、足が地面から離れる。
わずか数センチ。
それでも、の心臓は跳ね上がった。

「っ……!」

「大丈夫、大丈夫!ほら、少しずつ少しずつ!」

ホークスの言葉に励まされ、もう一度羽ばたく。

――ふわ……。

今度は一瞬だけ宙に“浮いた”。
体が軽い。
風が背中を支えるように舞う。

「……と、飛べた……?」

ホークスが優しく頷いた。

「おー、やるじゃん、ちゃん」

その一言に、胸の奥がじんと熱くなる。
/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp