第3章 はじめましての訓練
ホークスはゆっくりとの顔を覗き込む。
「ちゃん。
もしかしてさ……さっき言った“気持ち”、
ちゃんとした言葉で言える?」
「……すき、って……」
「うん。それって、どういう“好き”?
俺と一緒にいたい、って思う?」
は迷いなく頷いた。
「おいていかれたくない……ずっといっしょがいい……」
その瞬間――
ホークスの目がかすかに揺れた。
(ああ……これは“強い感情”だ)
そして、彼は覚悟したように息を吸う。
「ちゃん。
ちょっとだけ近くに来て?」
「え……」
が見上げると、
ホークスは両手でそっとの頬を包んだ。
温かくて、優しくて、
どこかくすぐったい。
「驚かないでね」
そう言うと――
ホークスは迷いなく、の額に
軽く“キス”を落とした。
ほんの一瞬
だけど時間が止まったように感じた。
ドクンッ。
胸が大きく跳ねる。
全身が熱くなる。
「――っ!」
次の瞬間。
の身体の中心から、
光が爆発したように広がった。
治癒とは違う色。
ホークスの羽根と同じ、深い赤。
訓練室がざわめく。
「これは……!」
「反応しているぞ!」
「個性が……コピーされていく!?」
ホークスは驚きながらも
の肩を支えていた。
「ちゃん、落ち着いて! 大丈夫、大丈夫だから!」
は涙目で震えながらホークスを見る。
「ほ……ホークスの……羽が……背中に……!」
「うん、君は今……俺の個性をコピーしてる!」
赤い羽がの背中にゆっくりと形成されていく。
まるで彼と繋がった証のように。