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ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


ある日の訓練、ホークスがに近づき、軽く肩に触れた。

「よし、今日はもう終わり。よく頑張ったね」

その後だった。

背中がむずむず……とし始めたのは。

最初はくすぐったいだけだったのに、次第に熱を帯び、痛みに変わっていく。

「……いた……い……! いたい……!」

涙が滲み、床に座り込む。
職員が駆け寄ろうとした瞬間、ホークスが片手を上げて制止した。

「大丈夫……これは、たぶん……“発現”だ」

の背中の布が、僅かに盛り上がる。
痛みに叫びながら、彼女はうずくまった。

そして――

ばさっ。

赤ではなく、淡い藤色のような羽根が左右に広がった。

ホークスの目が見開かれる。
は泣きながら、震える声で言う。

「……なんで……羽……が……?」

ホークスはゆっくり近づき、の頭をそっと撫でた。

「これは……君の新しい個性。
“コピー”……いや、それ以上の何かだと思う」

の背中で羽が震える。
まだ小さく頼りないけれど、人の個性を写し取ったような翼。

「君は……触れた相手の能力を一時的に取り込めるんだろう。
でも制御は難しい。だから、これからは一緒に練習しよう」

涙を拭いながら、は震えた声で返した。

「……できる……かな……?」

「できるよ。オレがそばにいるから」

その日を境に、訓練は“個性安定化”へと段階が変わる。
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