第3章 はじめましての訓練
その日の夜、が眠る前。
彼女は突然、布団から顔だけ出して呟いた。
「ホークス……」
「ん? どうした?」
「……て、つないでてほしい……」
ホークスは驚いたが、
微笑んでベッド横に座り、そっと手を握る。
「もちろん」
は安心したようにまぶたを閉じた。
その小さな手はまだ震えていた。
でも、握り返してきた力は以前より少し強かった。
ホークスはその寝顔を見守りながら、
声を落とすように呟いた。
「大丈夫。
君はひとりじゃないよ――これからずっと」
その言葉は、
この時すでに“約束”になっていた。
毎朝の声、
訓練の手の温もり、
屋上の会話、
夜の手のぬくもり。
それらは少しずつ積み重なって、
の心に“居場所”を作り始めた。
ホークスにとっても、
はただの任務対象ではなくなっていった。
互いに寄り添う日常は、
この先の強い絆の土台になる。