第3章 はじめましての訓練
ある夜、は初めて自分から言った。
「……ホークス。
いっしょにいてくれて…ありがと……」
ホークスは目を丸くし、次の瞬間、ふんわり笑った。
「どういたしまして。
もうちょっと強くなったら、今度はちゃんが誰か守るんだろうね」
「……うん。ホークスやあの人みたいに……」
「そうだね。きっとなれるよ」
その答えに、の胸が温かくなる。
この日、ホークスは彼女の背中を撫でながら、
心の中でひとつ決めた。
――絶対に、この子をひとりにさせない。
その決意は、のちに二人を強く結びつけていく。
______________
公安に保護されてから二ヶ月が経った頃。
の夜泣きはまだ完全には消えていなかったけれど、
少しずつ、ホークスの前では笑う時間が増えていった。
ホークスにとっても、にとっても、
ここからが“家族のような関係”が始まっていく。