【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第13章 Beyond the Broken Line
「仁美……っ、なんで……っ、離れんの……?なんであの時……俺を、見てくれなかった……?」
握りしめたスマホには、“彼氏ができた” と研磨が送ってきたメッセージ。
その文字が、黒尾の心に焼き付いて離れない。
研磨は机に肘をつきながら、いつもの落ち着いた声で言った。
「……俺だって、こんなに距離置かれると思わなかったよ。」
手元のスマホの画面を軽く揺らして見せた。
黒尾は枕に顔を押しつけたまま、かすれた声で呻く。
「……俺のせいだろ……全部……俺が──壊したから……。」
研磨は溜め息をつきつつ、黒尾の背中を一度だけ軽く叩いた。
その行動が慰めなのか、呆れなのか、本人にしか分からない。
「クロ、泣きすぎ。ベッドびちょびちょなんだけど。」
「……知らねぇよ……。」
黒尾が顔をぐしゃぐしゃにして研磨のベッドに突っ伏して泣いていると、研磨はその横で、スマホを片手にしながら、ゆっくりと長い息を吐いた。
やがて研磨はスマホを一旦置き、泣き続ける黒尾に視線を落とす。