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【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第13章 Beyond the Broken Line


黒尾は研磨と家の内覧に行った時のことを思い出した。

同じ様に歩いて、仁美と同じ場所で研磨の足も止まった。




研磨はきっと同じ光景を見て、あの家を選んだのだと黒尾は思った。





「……彼氏、できたんだって?」




突然の問いに、仁美 は足を止め、手に下げた買い物袋がカサリと鳴った。

「……うん。そう、だよ。」

仁美は黒尾の顔を見ずに言った。





その仁美の表情に、黒尾は一瞬目を細めた。

「……そっか。よかったね。」

黒尾のその優しい声に、仁美は安堵の息を漏らした。





仁美は表情を黒尾に隠していたが、黒尾には全部見えていた。





黒尾はそんな仁美を見ながら、この三年間を思い返す。





–––––––––––





「……っ、なんで……なんでだよ……。」

研磨の部屋で黒尾は研磨のベッドに突っ伏して泣いていた。

声にならない嗚咽が、肩を大きく震わせる。





顔を枕に押しつけたまま、喉が潰れたみたいな声で、何度も何度も繰り返す。
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