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【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第12章 Triangular Midnight


責めるというより、自分の壊したものを必死に掴み直そうとする子どものようだった。




仁美 は返事をしない。

黒尾の涙がポタポタと床に落ち、それでも 仁美 の背中は微動だにしなかった。




しばらくして、黒尾はようやく顔を上げた。

赤く腫れた目で、震える声で、それでもどこか希望を繋ぐように言った。




「……大丈夫だよ、仁美。俺の気持ちは……変わらない。今まで通りで、いい。……大丈夫だから。」




その言葉に、研磨の眉がピクリと動いた。

苛立ちと侮蔑が混じったように、わずかに顔を歪める。




そして、ようやく 仁美 が黒尾の方に振り返った。

泣きはらした目で、吐き出すように問いかける。




「……何が、大丈夫なの……クロ。」

黒尾は必死に笑顔を作ろうとしながら言った。




「……仁美 に研磨が必要なら……一緒にいればいい。俺は……今までと変わらないから。それでいいよ。だから……戻ってきて。」





その瞬間、研磨が大きく息を吐き、顔を伏せた。
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