【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第12章 Triangular Midnight
仁美は黒尾に怒鳴った。
「クロが壊したんだよ……! 私も、三人の関係も。もう、決して元には戻らない!」
黒尾はそれでも信じたくて、震える腕で仁美を抱きしめた。
「──大丈夫だよ。仁美。俺たち三人なら……今までどおりでいられるから。」
常軌を逸したその言葉に、研磨の表情が限界まで冷えた。
次の瞬間、研磨は黒尾の肩を強く掴み、仁美 から乱暴に引き剥がした。
「最初に壊したのは──クロだよ。」
研磨の低い声に、黒尾は一瞬驚いたように目を見開いた。
だがすぐに怒りが沸き上がり、研磨の胸ぐらに掴みかかった。
「なんで……お前が、こんなこと出来るんだよ!」
研磨は黒尾を真っ直ぐに見返し、吐き捨てるように言った。
「それ、そっくりそのまま返すよ──クロ。」
そのまま殴り合いになりそうな雰囲気の中、仁美が研磨の名前を呼んだ。
仁美の声に、二人は体が止まり仁美を見る。
「……研磨。服、着たいから……クロを外に出して。」