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【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第11章 The Night I Chose You


「……だってあの人……いままで、俺がどれだけ言っても病院なんか行かなかった。きっと……よっぽどの怪我で──。」

「そんなの関係ない!」

仁美 の声が震えた。




「怪我したって、病院でちゃんと見てもらってるんでしょ?なんで、クロが行く必要があるの?なんで彼女の旦那さんじゃなくて、クロなの?」




黒尾は口を開きかけて、また閉じた。

その沈黙が、仁美 の胸を冷たい絶望で満たす。

「……クロ。答えて。」




黒尾は苦しげに眉を寄せた。

「……すぐ戻る。ほんとに、すぐ。だから──。」

「──嫌。」




仁美 は首を横に振った。

「行かないで。今日だけは……今日くらいは……私を選んでよ。」

黒尾は胸が引き裂かれるような顔をした。




「仁美……俺……。」

「ねぇ、言って。どうして行くの?なんで私じゃなくて、あの人なの?恋人でしょ、私。今、やっと……二人で始めようとしてたのに……。」

声が震えて涙が滲む。




「クロが行くって言うなら……私、どうしたらいいの?」

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