【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第13章 Beyond the Broken Line
黒尾はもう堪えきれないように、眠っている 仁美 の唇を深く味わっていた。
何度も何度も角度を変え、舌を押し込みながら、まるで3年分を取り返すように貪っている。
黒尾の手は 仁美 の頬に添えられ、親指で唇の端を撫でてはキスを落とし、また濃く舌を絡めにゆっくりと沈み込んでいく。
「……ん……っ。」
寝ている 仁美 は眉間に皺を寄せ、顔をそらそうと弱く動くが、それでも起きない。
黒尾はやめるどころか、逃げようとする動きを追いかけるように口を重ね、舌を絡めてさらに深く吸った。
やがて、半分寝言のように、仁美 が弱く声を漏らす。
「……クロ……やめて……。」
その声を聞いた瞬間、黒尾の動きがぴたりと止まった。
次の瞬間には、喜びに震えるように、喉の奥で小さく笑う。
そして仁美 の顎をそっと持ち上げ、自分以外は何も映っていない瞳で、また唇を奪った。
無意識の仁美の中でキスをしてくるのは黒尾しかいない。
その事実に黒尾は気持ちが高揚していく。