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【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第2章 Shifting Distance


「メイド喫茶じゃないの?」

ぼそっとした声に、仁美はハッと顔を上げた。

その目が一瞬でキラキラと輝き出す。




「なに言ってるの研磨!」

手に持っていたペンをぎゅっと握りしめ、勢いよく言葉を続ける。

「うちのクラスにはクロがいるんだから、やるなら執事喫茶でしょ!!」




声はちょっと興奮気味で、周りのクラスメイトがちらっと振り向くほどだった。

仁美は気づきもせず、目を輝かせたまま黒尾の名前を口にしている。

その顔は、まるで“楽しみ”と“期待”の塊みたいだった。




研磨はその表情を横目で見て、ほんの一瞬だけまばたきをした。

「……ふーん。」

それだけを返して、看板の文字を再び見上げる。




「クロが執事服着たら絶対似合うもん! 絶対大盛況になるよ!」

仁美はもう完全に“想像の中の黒尾”に夢中だった。

その横で研磨は看板を支えたまま、小さく息を吐く。




その時に、仁美のクラス女子の満場一致で執事喫茶になった事が、簡単に想像できた。
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