【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第9章 Cling to Me, Even If it Hurts
そのまま、顔を近づけて視界いっぱいに黒尾で満たせる。
「……ねぇ、仁美。俺のこと、好き?」
喋るだけで黒尾の唇が触れそうな距離だった。
拒まなくて、絡まっている指先が少し震えている。
仁美 は息を詰め、震える声で答える。
「……まだ……これから、考えるつもりで–––。」
言い終わる前に、黒尾の指が強く握り締めた。
一瞬、空気が鋭く揺れる。
「考える……?考える好きってなに?俺のこと好きだっただろ?」
低く、押し殺した声。
黒尾の捉える目線まで変わり、彼が苛立っているのが分かった。
更に絡まっている指の力が強くなった。
「こんなにも、俺が……欲しがってんのに?」
その次の瞬間、唇が塞がれた。
黒尾は舌を絡ませながら、仁美の体をベットに押し込んだ。
ベッドがきしむ音と同時に、背中がマットに沈む。
逃げようとしても腕が塞がれている。
「く……クロ、ここ……研磨の部屋だから……。」
「……わかってるよ。流石に……ここで全部はしない。」