第77章 私は誰が好き?〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥 【R強】
義勇の視界が、怒りと絶望で塗り潰されていく…
開け放たれた襖の先、薄暗い部屋で繰り広げられていたのは、美月の言葉から想像していた無理強いなどと言うには程遠い二人の姿だった。
ゆきのはだけた隊服から透き通るような白い肌が覗いていた。
そして何より、無一郎の愛撫を物語るように赤く火照った胸元。そのすべてが、義勇の心臓をえぐる。
「…っ」
義勇の瞳に映るのは、自分以外の男の体温に染まり、虚ろな表情を浮かべるゆきの姿。
「あれ……ぎゆ……?」
ゆきが、焦点の定まらない瞳で義勇を仰ぎ見る。
熱に浮かされたその声は甘く、切なげで、つい先刻までその名を呼びながら無一郎に身を委ねていた事実を色濃くする。
ゆきが酔っているのは明白だ。だが、その無防備な姿を晒し、あどけなく自分の名を呼ぶのゆきの姿は、今の義勇にとっては救いであると同時に、耐え難い屈辱でもあった。
「…時透。その手を、離せ」
義勇の声は、怒りに満ちていた。
一歩、畳を踏みしめる足音が、重く響く。
対する無一郎は、義勇の介入を受けてもなお、ゆきの腰を抱く手を離そうとはしなかった。
それどころか、見せつけるように彼女の白い肌を指先でなぞり、視線を義勇へと向ける。
「…邪魔をしないでよ、冨岡さん。せっかく、ゆきが僕を受け入れてくれていたのに」
無一郎の声音には、あきらかに怒っているように聞こえた。
「嫌がっていると聞いたが…これが『拒絶』に見えるか?」
美月の策略に踊らされた自分…そして、目の前で時透に甘い声を漏らしていたゆき。
義勇は、腰の刀の柄に手をかけた。
「一度しか言わん。ゆきから離れろ、時透。さもなくば、たとえ柱同士であろうと容赦はしない」
「…ふうん。やってみればいいじゃない」
美月は、まさかここまで義勇が怒るとは思っていなかった。きっと義勇は、呆れてゆきを見切り、嫌われてしまえばいいと思っただけだった。
無一郎に、怪我をして欲しくない…
早く止めないと!美月は焦った様子で義勇に訴えた。
「お、お二人とも落ち着いてください!水柱様今無一郎様は刀を、置いている状態です、物騒なことおやめください!」
義勇も無一郎も一歩も引かなかった。
だがその時…