第77章 私は誰が好き?〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥 【R強】
無一郎の指が、ゆきの隊服の詰襟を容赦なく開いた。
白い肌が露わになるたび、背後で立ち尽くす美月の心は、激痛で耐えられない…。
「まだいるつもり?…趣味が悪いね。人の営みを覗き見して、何が楽しいの?」
無一郎の冷たい視線が美月を貫く。
大好きな無一郎にそんな蔑みた目を向けられる屈辱。
そして、自分の愛する人が、大嫌いな女…ゆきの体に欲情している…。
美月の視界は怒りと悲しみで赤く染まった。
「やめて…やめてください、無一郎様! その女は…ゆきさんは、あなたのことなんて見ていない! 意識が朦朧として、水柱様を求めているじゃないですか!」
美月は叫んだ。
無一郎様…気づいて…私は貴方をお慕いしています。
だが、その言葉は皮肉にも、無一郎の嫉妬に油を注ぐ結果となる。
「黙れって言ったよね」
無一郎の低い声が部屋の空気を凍らせた、彼はゆきの細い腰を強引に引き寄せ、見せつけるようにゆきの指を口に含み、ねっとりと舌を絡ませた。
「ゆきは、ずっと僕を想ってくれているはずだよ…冨岡さんは、ずっと一緒に居るから錯覚しているだけだよ…だから早く出ていけよ」
「っ…!」
愛する人からの、自分を拒絶する言葉に、美月はこみ上げる嗚咽を抑えきれず、憎しみの籠もった視線でゆきを睨みつけ、そのまま部屋を飛び出した。
美月は夜の廊下を、なりふり構わず駆け抜ける。
どうしてあの女なの…? 私の方が、ずっと無一郎様を想っているのに!誰とでも寝る女…山賊とまで通じて汚いのに…
悔しくて涙ぐみながら美月が辿り着いたのは、冨岡が不死川、しのぶと共に食事を囲んでいる広間だった。
「水柱様…っ! お願いです、来てください…!」
荒々しく障子を開け放ち、美月は泣き崩れながら訴える。その瞳には、ゆきへの恨みと、二人を切り裂いてやりたいという醜い切望が渦巻いていた。
「ゆきさんが…無一郎様に無理やり…っ! 早く、助けてあげてください…!無一郎様が嫌がってます!」
静かに杯を置いて立ち上がる義勇。その背後で、美月は歪んだ笑みを一瞬だけ浮かべた。
その表情を、不死川は見逃さなかった…。