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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第77章 私は誰が好き?〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥 【R強】


無一郎は、ゆきをそっと布団に横たえた。

美月がかいがいしく裾を整え、濡れた手拭いを用意しているが、その過剰なまでの世話が無一郎にはわずらわしかった。

​食糧庫に、ゆきが閉じ込められた事もその張本人が美月だった事も、無一郎はまだ知らない。

ただ、この場から一向に立ち去ろうとしない彼女の存在が、猛烈に邪魔だった。

​「もういいよ。あとは僕がやるから、君は下がりなよ」

​無一郎の通告にも、美月は食い下がる。

「ですが、無一郎様。お疲れでしょうし、女性の介抱は私の方が…」

「しつこいな。僕の言葉が聞こえないの?」

​空気が凍りついたその時、布団の中でゆきがゆっくりと身を起こした。

酒の熱のせいか、その瞳はトロンと潤み、甘えるように無一郎を見つめている。 「どうしたの? どこか痛む?」
無一郎がこれ以上ないほど優しい声で問いかけ、その細い肩を抱き寄せた。

しかし、意識の朦朧としたゆきの口からこぼれたのは、彼が一番聞きたくない名前だった。

​「…ぎゆう、は…? ぎゆう、どこ…?」

​その一言が、無一郎の理性をぶち切った。

僕と一緒にいるのに、なぜ他の男の名を呼ぶの?なぜ、冨岡さんを求めるの?

​傍らで美月が、探るような声で追い打ちをかける。

「無一郎様…やはり、水柱様と介抱を代わられた方がよろしいのでは? ゆきさんもあのように仰っていますし…」

​      「黙っててよ」

​無一郎の低い声が響く。

彼は美月がそこにいることなど、もはやどうでもよくなった。
ただ、自分以外の名前を呼ぶその唇を、物理的に塞いでしまいたかった。
​無一郎はゆきの後頭部に手を回すと、逃げ道を奪うように強引に顔を近づけた。
「ん…っ!?」

驚きに目を見開くゆきの唇を、無一郎が深く、容赦なく塞ぐ。

美月の目の前であることも、無視して。

無一郎はゆきの熱い吐息を飲み込み、舌を絡ませ、執拗に、濃厚に、唇を味わった。

​「義勇って…やめてよね…その呼び方…君の師範でしょ?」

ゆきを、組み敷き無一郎は、ゆっくりと髪を撫で、愛おしくゆきを見つめていた…。​

その背後で、美月は胸が締め付けられるほど切なくなり、震える体を両手で抱きしめ立ち尽くすことしかできなかった…
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