第52章 私のカラダ〜冨岡義勇 時透無一郎【R強強】
ゆきは、理由がわからなかった。あの日誌が、嘘ばっかり?どういう事?
凛はその場で、固まっていた…。
「お前、胡蝶さんの屋敷から薬盗んでるよね?」
「な、何のこと?」
「とぼけるなよ。俺に飲ませて幻覚見せようとしてたくせに」
ゆきは、驚いた…
あの薬の事は無一郎くんは知らないと義勇さんから聞いたのに知ってたの?
「あれから俺は、お前にバレないように中身をすり替えて飲んで幻覚を見ているフリをしていた。おかしいと思ったんだろ?俺がまったくお前に手を出さない事」
「……。でも一緒には寝てくれた。」
無一郎は、鼻で笑った。
「嫌々ね…お前を欺くために」
凛が泣きそうになりながら聞いた…
「何で幻覚にかかったフリをし続けたの?」
「お前何するかわからないから…ゆきに」
凛が、下を向いた。
「お前ゆきに薬飲ませて俺の幻覚を見せたよね?またやりそうだから、俺が任務とか行ってる時に目が届かないうちに、だから油断させて尚且つ側に置いて見張っていた。」
「そんな…」
凛は、足から崩れ落ちた。
「ゆきが泊まるのも知っていてわざと部屋に入るように仕掛けといてあのウソ日誌を置いていたんだろ?俺とゆきを仲違いにするために」
「そうよ…だって私は無一郎くんが好きなんだもん」
凛は、ゆきの側に行き髪の毛を掴んだ。
「こんな女のどこがいいの?水柱としてるよ?汚い女だよ?私は無一郎くん一途だよ!」
無一郎は、凛の腕を掴み捻り上げた。
「触るな!俺の女に」
聞いた事ないくらい怖い声だった…。凛は、その場に泣き崩れた。
無一郎は、ゆきの側に寄り添った。
「大丈夫?髪痛くなかった?」
無一郎は、優しい口調でゆきの髪を撫でた。
「ごめんね。今まで曖昧な態度を取っていて…不安にさせたり嫌な想いをさせちゃったね…」
私は…私は…こんなに無一郎くんに想われていたんだ…
わからなかった…
どうしよう…義勇さんと
あんな事をしてしまった。こんなに私を一途に想っていてくれた人を…裏切った…
凛が言うように、私は汚い女だ…
無一郎は、優しくゆきを抱き寄せた…。