第22章 恐怖
『あー…、やっぱり縦書きは苦手だ…』
そもそも、手紙を書くなんてこと
元いた時代では全然なかったし、書く機会があったとしても横書きが主流だったから…。
字が斜めに曲がったり、漢字を間違えたり
何度も何度も上手に書けるまで書き直しを繰り返した。
こういう時、スマホがあればすぐにメッセージを送れるし、便利なんだろうけど…
恋人に手紙を書くのは、何だか愛嬌があるように思えて、どれだけ時間がかかっても苦痛とは思わなかった。
それに、冨岡さんからも時々手紙を送ってくれて
会えない日が続き、離れていても私を想ってくれているのが伝わってくるから…
手間はかかるけど、手紙を送り合う事自体は、私は結構気に入っている。
『ふーっ…、できたーっ!』
何とか無事に書き終えた手紙を
早速カラスのカヨちゃんに届けて貰おうと立ち上がると、ちょうど部屋の窓枠にカヨちゃんが来てくれた。
『あっ、カヨちゃん!ちょうど良かった!
この手紙なんだけど…』
「ハイハイ、マタ水柱ヘノ恋文ネ。」
『っ、だ、だってさ…!
炭治郎くん達が目を覚ました事、
早く知らせたくて……っ』
「分カッタカラ早ク渡シナサイ。
チャント届ケルカラ。」
『う、うん…、ありがと…』
呆れている様子のカヨちゃんに
手紙を入れた封筒を差し出すと、嘴でパクッと咥え、そのまますぐに飛び立って行った。
『手紙のやり取りも幸せだけど…、
今度はいつ…、会えるかな…』
上弦の鬼との戦い後、
柱だった宇髄さんが引退した事で
やっぱり他の柱の人達の仕事は増えたようで…
御館様がご配慮して下さってる、って冨岡さんは言ってたけど、私と過ごせる時間は確実に減ってる。
仕方のない事だと分かってるつもりだし
私も任務で遠方へ行く事だってあるから
会えなくても我慢するしかない。
でも…
『はぁ…、会いたいなぁ…』
少しだけでもいいから
冨岡さんの顔が見たいよ…。