第20章 我慢
『前から思ってたんですけど…』
「…?」
『冨岡さんって、私のことすっごく好きですよね〜?』
「っ…、調子に乗るな。」
『えへへ』
自惚れてるのは自覚してるけど
冨岡さんは私の発言に対して否定しなかった。
心から私を想ってくれてるのが
冨岡さんの雰囲気からも伝わって来て…
幸せな気持ちになりながら、しばらく歩き続けていると、漸く宇髄さんの自宅に到着した。
『ごめん下さ〜い、ですー!』
門をくぐって、玄関の扉の外から声を掛けると
中から足音が聞こえて来て扉が開き、
そこには
髪を後ろでひとつ結びに束ねている、綺麗な女の人が立っていた。
?「貴方がさんね。
蟲柱様から話は聞いてます。
天元様の容態を確認しにいらっしゃったんですよね?」
『はい!初めまして、 です!』
雛「初めまして。私は天元様の妻、雛鶴と申します。
いらっしゃるのはさんだけかと思っていたのですが、まさか水柱様もご一緒に来られるとは思いませんでした。」
『えっ、と…、冨岡さんも
宇髄さんのお見舞いに来たかったようなので…』
「…突然押し掛けて申し訳ない。」
雛「いえ!お忙しいのに来て頂いて
きっと天元様もお喜びになると思います。
では、中へどうぞ?」
冨岡さんと一緒に玄関から部屋の中に入り
雛鶴さんの後に続いて通路を進んで行きながら
私は雛鶴さんに声を掛けた。
『あのー、確か宇髄さんの奥様って
雛鶴さんを含めて3人いらっしゃると聞いた事があるんですが…』
「えぇ、その通りです。
1人は須磨、もう1人はまきを…、
私達は天元様と同じで、元忍なんです。
今は2人とも、天元様のお側についてます。」
忍……、ってことはくノ一だったんだ。
令和にいた頃から
忍者、という言葉は耳にしていたけど
まさか大正の時代に実在するとは思わなかったな〜。