第4章 2人きりの時間
食事を終えるとき、雅はスマホを気にしていた。
「…どうかした?」
「あ、その…大丈夫です!」
「そう?」
クレアにはなぜか切り出せない雅。そんな時、ヴヴ…っと雅のスマホが震えた。
「…ッッ」
その画面に映し出されたのはKagaの文字。
『俺の方こそ楽しかった。ありがとう』
その一言だけだったものの、雅の顔が緩まないわけもなかった。
「…そういう事」
「へ?」
「いえ?なんでもないわ?明日、楽しみね!」
そういうだけ言って夕食後解散をするのだった。
***
翌日、クレアとあすか、そして一番のメインの雅は一緒にホテルのフィッティングルームに来ていた。
「…どれがいいかしらねぇ」
「えと…」
「こんなのは?雅ちゃん似合いそう!」
そういわれてあすかに出されたのは薄い水色のミニ丈のドレスだった。
「…水色って着たことないから…」
「ならなおさら!一回着て見て?」
そういわれて雅はドレスを持ち込む。ここからクレアとあすかの着せ替え人形と化すとは夢にも思っていなかった。
水色、ピンク、赤に紫…あれこれと返させられてようやく決まった一着だった。
「コレ絶対にあってる!」
「本当に!」
「でも…これって…」
そう、雅が懸念したのは思いの外背中が大きく開いていたのだ。
「それなら心配いらないわ?似合ってるもの」
「そうそう!それで加賀さんもイチコロよ?!」
「ちょ、あすかちゃん!」
「あ、ごめんごめん…」
ペロッと舌を出して謝るあすか。顔を真っ赤にして雅はこれにしようと決めていた。