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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第29章 初めてと、久しぶりの距離


「じゃぁね!グレイ!」
「あぁ、下まで送ろうか?」
「大丈夫よ!じゃぁね!…あ、忘れてた。」

そういえば加賀の元に戻ってくるなり頬にキスをして戻っていくシンディ。あっけにとられたまま雅はその背中を見送るしかできなかった。

「…えと…城君?」
「わり…ちゃんと説明する。」
「悪かったな、城」
「いや、遅かれ早かれ起こった事だ。心配ねぇよ。ありがとう。」

そうしてグレイも部屋の前から戻っていく。部屋に二人っきりになった加賀と雅は、隣同士に座る。

「…さっきのはシンディ・テイラー。さっき話したろ、メカニックになるリックってやつがいるって。」
「ん、それは聞いた。」
「リック、あー、リック・ムーアっていうんだけど。そいつの幼馴染がシンディだ。」
「で、そのシンディさんがなんで城君にキ…その…キス…するの?」
「俺が昔インディで走ってるときから、シンディはリックについてよくチームに居たんだ。その時からメカニックはリックやグレイもいた。で、俺がドライバー。何もかわりゃしねぇんだ。…で、こっからだな、雅が知りてぇのはよ。」

そういえば加賀はゆっくりと話し出す。

「…ずっとシンディは俺の事をカッコイイ、速いってべた褒めしてくれてた。それに加えりゃ俺に好意を抱いてるのは知っていた。」
「…ん、だろうね…」
「それで、インディ離れてサイバーに移るって時に直接好きだって言われた。でも俺はその気はなかったし、どっちかっていえばシンディは妹的な存在だったから、付き合うとか、恋人にとかは考えれなかった。だから断って、サイバーに入った。」

淡々と語られる加賀の過去の女性模様だった。
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