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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第28章 幸せな時間


「ありがと」
「礼言う事じゃねぇよ。」

ポンっと頭をなでる加賀の手に、『ん…』と小さく返事をしていた。

「…あ、わり。電話だ」
「おう」

そうして電話に出る加賀。

「・・んぁ?…おー、悪かったな、急に…あぁ、あぁ。……ん、解った。じゃぁ今夜の十九時に。解った、…は?…あぁ、……・・ハァ…わかったよ。」

切れた通話と同時にスマホをしまえば加賀は肘をついてため息を吐いた。

「…どうかしたか?恐らくリックだろ?」
「あぁ。今夜会おうって」
「そうか、で?全員揃うってわけか。」
「雅もしっかりと会わせろってさ」
「…わ、たしも?」
「まぁそうなるだろうな。」
「フィルも一緒に会うだろ」
「あぁ。出来るなら」
「で、ホテルに来るって言ってるから十九時。ロビーだな」
「分かった。」

そう話している間にも食事は運ばれ、各々食べていく。慣れた味、久しぶり、また、初めてだけどおいしい!と口々に話していたのだ。

「でよ?この後城たちはどうするんだ?」
「少し買い物かな」
「そうか。でも何か買うんならよ、明日のがいいんじゃねぇか?」
「ぁ?」
「今日バイク乗ってんだろ。買っても持ち帰れねぇよ。」
「確かに、明日なら俺、車出すけど?」
「なら、そうさせてもらうか。悪いな、ありがとうフィル」
「ありがと!…あ、そうだ…グレイ!」
「んぁ?なんだ?」
「あの、連絡先、聞いてもいい?」
「お、そうだった。」

引っ越し後の足りないものの買い出しにはフィルの力を借りることにした二人だった。

「…家具とかは?あるのか?」
「あった!備え付けっていうの?」
「だな。まぁ、ないとしたらベッドと小物か?」
「うん!」
「広いだろ、城の事なら。」
「え、なんでわかったの?ていうか…やっぱよく知ってるね」
「まぁな」

ふふん…っと嬉しそうに返事をするグレイにフフっと笑う雅だった。
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