第27章 新しい新境地
そしてホテルに着くと四人はそれぞれ部屋に入っていく。
「…雅こっち」
「え?」
「…ハァ…」
「グレイ、早く入って…」
「あいよっと」
ツインで広めの部屋を取ったグレイとフィル。そして加賀と雅の部屋は同室でダブルベッドの部屋だった。
「…じ、城君?」
「ん?」
後ろから抱きしめてきた加賀の腕に雅は少しドキドキしながらもうつ向いてしまう。そんな相手の首筋にちゅっとキスを落とす加賀。
「…まぁ、間違っちゃいねぇんだけど」
「え?」
「フィルとなんかあったんじゃねぇかって一瞬でも思った俺がガキ過ぎて…」
「そんなことないよ。なんもない」
「知ってる。」
「じゃぁなんで…?」
「いっただろ、独占欲強ぇって…」
「それは聞いたけど…ン…ッ」
するっと胸元に手が滑り込む。
「…ま…って、ね…」
「待てねぇって言ったら?」
「…ッッシャワーも…浴びてない…」
「もう結構抱いてねぇ…」
「そうだけど…」
そう答える雅だったものの、加賀はゆっくりと腕を緩めた。
「…わり…がっついて…」
「それは…嫌じゃないんだけど…」
「先、入ってきていいから…」
そう言ってゆっくりと離れる加賀。『ん…』と小さく返事をして雅はシャワー室に入っていく。
「断るの…ダメだったかな…」
ぽつりとつぶやく雅。それでも長旅だったのもあり、シャワーも浴びたい…そう思っていたのも事実だった。
「…城君…」
名前を呼ぶものの、とっくに消えている前に抱かれた時に付けられた痕の場所を、そっと撫でると昨日のことの様に思い出していた雅の顔は、真っ赤になるかの様に熱くなっているのだった。