第27章 新しい新境地
キュッとシャワーを止めてタオルで拭いていく。下着を付けておいてあるパジャマに着替えをして、部屋に戻った。
「…ッッ」
「ん、出た?」
「…あ、うん、先にごめんね?ありがとう…」
「いんや、んじゃ、俺入ってくるわ」
そう言って加賀はすっと雅の横を通った。それだけで雅の胸はなぜかきゅぅっと締め付けられるように苦しくなる。
「自分がダメって言ったのに…」
キュッと耳にイヤホンを付け、パソコンを開く。加賀のレースをまとめ、チェックの作業を続けた。
「…うーん…」
集中しだすと雅はそれだけに向かう所もある。だからこそ、少し時間がたって加賀が出てきたことにも気付かなかった。
トンっと背中に重みが伝わり、直後にイヤフォンを取り外されたことでようやく雅は加賀が戻ったことに気づいた。
「…城君…」
「すげぇな…それ」
「…ッッ」
「集中するのもわかるけどよ?」
首筋に近付いて耳元で話し出す。
「…今することもねぇだろ…」
「…ッッ城、く…ン…」
ぱたんとパソコンのディスプレイを閉じ、雅の体を抱きしめた。
「…いい加減に俺の腕ん中で抱かれろって…」
ゆっくりと耳元から首筋に這う唇に雅の我慢も限界だった。
「…ッん」
その返事を聞いてするっと腕を離せば加賀はベッドに向かう。
そのあとを追う様に雅もまたベッドに座った。きゅっと巻き付くようにすり寄れば、加賀に押し倒されてシーツの波に襲われる。
「…久しぶり過ぎて…優しく出来ねぇかも…」
「いいよ…城君なら…」
「ッ…」
ゆっくりと顔が近づき、唇がゆっくりと重なる。一回はすぐに離れたものの、すぐに次のキスが降り注いだ。