第3章 突然の遭遇
そして翌日…朝食の時にあすかに呼び止められた雅。
「…どうかした?」
「今日って予定あったっけ?」
「ううん?これと言って予定は入れてないけど…?」
そう、入れたくても入れられなかった。一人でいても考えてしまうのは加賀の事ばかり。なら考えなくてもいい様にどこかに出かけようか…と言っても土地勘がそれほどない所で一人で出るのが少しだけ苦手だった。
「…ならよかった!」
「え?」
「もしよかったら買い物一緒に付き合ってほしいなって思って…!」
「いいよ!何時に集合とかある?」
「じゃぁ、一時間後とかにホテルのロビーでもいい?」
「ん!OK!」
そうして雅はあすかと一緒にでかっけることにした。
「あすかちゃんいつもかわいいしな…何着てこっかな…」
色々と考えた結果、シンプルをメインにした服装にした雅だった。アクセサリーも最小限にし、ネックレスも付けずにいた。
「…これでいっか!」
そうして待ち合わせの十分前にロビーに降りていく雅。
「う…そ」
ロビーについてすぐ目にしたのは遠目からでも目立つその存在。
「こんなカッコ…でも…誰かと待ち合わせなのかも…」
そう。そこには私服姿の加賀がいたのだった。柱の陰で隠れる様にしてひっそりとみていた時だ。
「あれって…風見さん…?」
加賀に近づいていくのはハヤトその人。その様子を見て少しだけホッとした様子の雅だった。誰か女の子との待ち合わせかもしれない…そう思っていたからだった。
「おっ待たせ!!雅ちゃん!」
「ひゃぁ!?」
「そんなに驚かなくても…って、あれ、着いてるじゃないの!」
そう言ってあすかは雅の手を引いて表に出ていった。