第2章 思い出す記憶

「ランドル？」
「なんで？」
「…違うか…じゃぁ、グーデリアンさん？」
「違うし…」
「ハイネルさんって感じでもないだろうし…」
「ｸｽｸｽ…違うね」
「えー、同年代のランドル濃厚だったんだけどな…」
「どっちにしてもランドルだと私負け戦じゃん、あすかちゃん激推しなのに。」
「ｸｽｸｽ…じゃぁ……アンリ？」
「違う…ｸｽｸｽ…」
「えー、誰だろ…」

クレアにはばれていたにも関わらず、あすかにはばれていない様子に少し安堵すら感じていた雅。

「…もしかして、ハヤト？」
「違うよ。ちなみに新条さんも違うからね？」
「……もしかして…」

ドキッとしたのもつかの間…その『名前』が紡がれた。

「加賀さん？…だったり？」
「……ｯｯ…えと」
「え、ホント？」
「…なんか…クレアさんにはバレてて…しかもクレアさん情報だと風見さんも気づいてるとか…何とか…」
「あ、それはないと思うけど…え、またなんで？」
「なんでって言われても…私もよくわかんないんだけど…」
「…でもそっかぁ…加賀さんかぁ…」
「……ん、秘密にしてね？」
「ん！もちろん！！でもそうだとしたら残念だったね！今日」
「え？」
「だって、さっきも新条さんだけだったし、優勝の表彰台も見れなかったでしょ？アンリの件で」
「……でも仕方ないよ。私はスゴウのクルーだから…」
「でも好きをあきらめなくてもいいと思うよ？」
「そうかもしれないんだけど…」

ふふっと笑うあすかとの恋バナの時間で雅も少しだけ自分の想いに自信を持てたような気もして居た。