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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第23章 過ぎていく疾走


そこには『今スゴウのトランクルーム』のひと言だけ。

「…アンリ…ッッ…!」
「ぼさっとして後悔しても知らないからね?」

そう言い残して先にそこを出ると遠くからミキが走ってくる。

「…アンリ、あんた…」
「雅なら中に居るよ。」

そういうだけ言えば他に何を言うでも無いままに横を通り過ぎていく。時期に雅が出てくればミキは心配そうに声をかけた。

「…新条と一緒に行きな?」
「…ミキさんは?」
「私は後でいいさ。それに、」
「…?」
「加賀が待ってるのは他の誰でもないと思うけど?」

そういわれて雅は手を引かれたまま小走りになりつつも関係者ゲート出入り口へと向かっていった。

「城之内!」
「ごめん、待たせた、新条…」
「大丈夫だ。ほら、乗って?」
「…ッッ…すみません、新条さん…」
「いいって、じゃぁ、行ってくる、」
「ん!頼んだよ?!」

そうしてミキは新条の車が走り出していくのを見送っていった。少し走って、時期に病院が見えてくる。

「…ここですか?」
「あぁ、」

しかし駐車場に着いたにも関わらず、新条は降りようとしなかった。

「…あの、新条さん?」
「5階の北病棟、1003号室だと」
「…え?」
「5階の1003。」

もう一度ゆっくりといえば手を振った。

「…ここで待ってるから」

そういわれて雅はぺこりと頭を下げた。

「…加賀も幸せな奴だよ、本当に…」

ふっと笑みがこぼれればミキに今着いたよと連絡を入れていた。
雅は新条に言われた通りの部屋番号に向かっていく。

「…ッッ」

コンコン…
小さくノックをすれば中から『はい』と返事があった。
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