• テキストサイズ

Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第21章 狂おしいほどの夜


こうして仮眠は取ったものの、ほぼ徹夜状態で雅はアンリのデータと格闘していた。

「…ふぁ…あ…もう朝か…」

そのままシャワーを浴びて少しだけゆっくりとした時間を過ごした。
朝食の時、真っ先に気づいたのはクレアだった。

「…雅ちゃん?」
「あ、クレアさん…」
「どうかした?何かフラフラしてるけど…」
「いえ、データの整理とって…」
「…もしかしてほぼ徹夜だったりするのかしら…」
「…はい、まぁ…」
「少し休んできたら?明日明後日と休みだし…」
「そうは言っても…」
「オーナー代理として言わせてもらうわ?」

その一言を出せば雅が黙ってしまうのは解っていた。ずるいとはクレアも解っている。それでもこのまま放っておくことは出来なかった。

「…食事が終わったらお部屋で休んだらどうかしら?」
「ッッ」
「オフの時はしっかり休んで頂戴?好きな事をやるでも構わない。ただ、仕事だけじゃ息が詰まっちゃうでしょ?」

そう言って笑いかけるのだった。

***

そうして食事も終えた雅は部屋に戻ってベッドにボス…っと倒れ込んだ。食事もほぼ軽くだったため、胃もたれも起こすことも無いままに気づけば夢の中へといざなわれていく。少しした、そんな時だ。

♪~♪

「ン…誰…?」

うつろとする目でメッセージを見た雅。次の瞬間、眠気が一気に過ぎていく。

「…ッッ…なんで?…え…待って…!!」

飛び起きるかの様にスマホを持ってベッドに座りなおす。その送信先は加賀からだった。
/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp