第18章 二か月の空白と、再会
『少ししたらそっち向かう。車借りてくから。』
それは加賀からだった。
「…ッ…」
どれほど待っていたかわからない。やっと会える、それだけで雅は突然だったものの、支度を軽く済ませる程度だった。いつ来たと言ってもいい様に、先にロビーで待つことにした雅は用意していたプレゼントも持って部屋を出た。
「…少しオフでよかった…」
仕事もしっかりと終わっている。だから問題も無い。嬉しくて踊り出しそうに、走り出してしまう気持ちを抑えてなるべく平常心でロビーのソファにかけて待っていた。
「…ッ…来た…」
ヴヴ…っと震えたスマホを見れば『着いた』のひと言。いてもたってもいられなくなり雅は発信ボタンを押していた。
「…もしもし!」
『ん、かけてくると思った』
「今…玄関出て…」
『駐車場だから正面で待ってて』
「え?」
『いいから、さみぃだろ』
「…わかった…」
少し寂し気な雅だったものの、通話を切り待つこと数分。すぅっと一台の車が送迎ラインに入ってくる。助手席の窓が開き、『待たせたな』のひと言で中に入る。
「…悪い、待たせた」
「大丈夫…ありがと…」
「どうかした?」
「ううん…なんか…会えてうれしくて…」
「そか」
そうして加賀は車を出した。
「…飯は?食った?」
「軽くはみんなで食べて…でも城君…は?」
「まだ」
「ごめんね?」
「謝る事じゃねぇよ。どこか入るか?」
「ん」
時間的にはそこまで遅くない時間だったものの、冬場と言う事もあり、もうすでにあたりは真っ暗だった。何を食べたいか話をしつつも一軒の隠れ家的な店に車を停める加賀。
「…来る途中で見かけてよ?」
「…ッッ」