第18章 二か月の空白と、再会
「…そっか…そうだったんだね…」
「えぇ、でも今は全然違う人みたいだし。」
「そうだよね、人当たりすごく柔らかくなってる」
「あ、確かに…話してもそうだった」
「…まぁ…いいならいいけど…」
「ん、心配してくれてありがと、アンリ」
「…別にしてないよ。心配なんて…」
窓の外にふいっと顔を背けるアンリにくすくすとハヤトとあすかは笑っていた。
***
そこから早くも一か月が過ぎ、もうじき二か月が過ぎようかとしていた。そうして雅にとっては待ちに待った次のラウンドの為の移動。
「…会える…かな…」
早くにホテルに入り、テストランの為に予定を詰めていたため、スゴウは二日間のオフとなる。コースにほど近いホテルが二か所。恐らくAOIもどちらかに泊まるだろう。そう思っていた。
部屋に入り、雅は早速…と言わんばかりに加賀にメールを打っていた。
「…こんにちわ?……久しぶり…?…え、なんて入れよう…」
しかし打っては消してをまたしても繰り返している。
「…どうしたものか…」
そうしていると、メッセージが入ってくる。
『やっほー、雅!うちらもホテル入ったよ!』
『ホテルフィットランドなんだけどスゴウはどうだろう』
そんな風に入ってきたのはミキからだった。
「ホテル、当然か…一緒なのが偶然過ぎる位なだけで…」
そう呟くと雅はミキに返信を入れる。
『そっか、ホテル違うかぁ…』
それだけの短い返信だったものの、ミキからの返信でAOIも近くに居ることが分かった雅は嬉しく感じていた。
♪~♪…
メールの差出人。またミキさんからかな…と思いながらも雅が開けば思いもよらない人物からだった。