第18章 二か月の空白と、再会
アクセサリーだけでも大丈夫だと思っていたものの、それでも雅は不安だったのだろう。併設されているアパレルに入っていく。
「…これ、見せてもらってもいいですか?」
「はい!こちらお会計はお待ちしてますね?」
そういわれながらも地がベージュのチェックマフラーを手に取った。
「…似合うかな…」
紫のイメージが強い加賀。致し方ない事だった。それでも肌触りがよく柔らかいそれはいつも自分のわがままを包み込んでくれる優しさに似ていると感じた雅は『これもください』と伝えた。
「よかったね!いいのが見つかって!」
「ん、ありがとう、あすかちゃん」
「いいえ!」
「…風見さんとアンリも、ありがとうございます。」
「いいよ、加賀さん、喜んでくれるといいね」
「はい…!」
嬉しそうに、愛おしそうに買ったプレゼントを抱きしめて雅は笑っている。それを見てあすかはもちろん、アンリもどことなく嬉しく感じていた。
「…そういえば、二か月一回も会わず?」
「はい、AOIもテストランとかあるだろうし…」
「うちの方なら都合付くんじゃない?」
「でも、こっちがオフでも向こうは解らないし…でもクリスマスにはあえるだろうし!」
「そうね、……AOIの方で知ってる人っているの?」
「ミキさんと新条さん。あとはじ…ッッ加賀さんの専属のメカニックの方かな。グレイさんとフィルさん」
その名前を出した途端にアンリの肩がピクリと動いた。
「…今、フィルって言った?」
「え?ん。…あ、そっか…ドライバーだって言ってたし知ってるかも…」
「まぁまぁ、アンリ。今は違うよ。」
少し首を捻った雅だったものの、あすかが説明をしてくれた。