第18章 二か月の空白と、再会
「どうせ知ってるんだからもういいでしょ、照れることも隠すことも無いんだし」
「そう、…なんだけど…」
にこにこと嬉しそうなあすかを隣に座らせたまま、雅は恥ずかしくて穴があったら入りたくもなっている。そんな時、最後の目的地に着いた。
「…ここ…で最後にするから!」
「はいはい」
「見つからなかったらまた探しに行きましょ?」
「ん…ッ…」
車から降り、あすかと雅の二人で店に入っていく。男二人は車の中で待つことにした。
「…にしても加賀が名前呼びされてるなんて初めて知ったよ…」
小さく洋楽がかかっている車内にアンリのぽつりとした呟きがすとんと響いていた。
「…まぁ、そうだよね。俺も加賀さんの事名字以外で呼ばれてるのとか、初めてかもしれない。まぁ、『ブリード!』って呼ばれてるのはあるけどね」
「それって名前じゃないじゃないですか…」
「ん、だからそう呼んでる真坂さんの存在も加賀さんにとって大事な存在になっているんだろうなって思って。ちょっと嬉しかった。」
「ハァ…加賀の行動もだけど…本当にあの二人って隠すのが下手すぎるんだよ…」
「あー、でも俺…さっきまで気付かなかったし」
「風見先輩はあすかさんしか見えてないからですよ」
「…ッッそうかもしれない…」
「……そこ、肯定なんですね」
そんな会話もどことなく楽しく感じている二人だった。
その頃の女性陣は、アクセサリーに釘付けだった。
「…コレもいいし…」
「何か良いのあった?」
「ん、…これなら付けてもらいやすいかなって…」
「素敵じゃない!」
「…あの、コレ…見せてもらう事出来ますか?」
「はい」
そうしてショーケースから出してもらい嬉しそうに決めた雅だった。