【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第5章 「2025誕生日記念短編 魔女は蒼に恋を包む」
廊下を曲がると、談話室の扉が半開きになっていた。
中から賑やかな声が聞こえてくる。
(……あれ?)
そっと覗くと、虎杖くん、野薔薇ちゃん、伏黒くん、それに伊地知さんまでいた。
「おはよー。何してるの?」
声をかけると、みんなが一斉にこちらを向いた。
「おっ、、おはよー!」
「ちょうどいいところに来たわね。、これ見てよ」
テーブルの上には、箱や袋が山のように積まれている。
ブランドの箱、花束、リボン付きの紙袋……
まるで百貨店の贈答品売場みたいだった。
「……すごいプレゼント。どうしたんですか、これ?」
思わず尋ねると、伊地知さんが若干うなだれ気味に言った。
「本日、五条さんのお誕生日ということで……関係各所からのお祝い品がですね……」
伏黒くんが呆れ顔で山を見つめる。
「これ、全部伊地知さんが確認するんですか?」
「中には危険物も紛れてる可能性があるので……」
すると、虎杖くんが不思議そうに首を傾げた。
「先生の六眼で見た方が早くない?」
「五条さん、面倒事は丸投げですから……もう、慣れましたけど」
その表情はどこか魂が抜けていた。
野薔薇ちゃんがひとつの箱を開けて、声を上げる。
「ちょっ! これ、カル⚫︎エの腕時計なんだけど!!」
「うわ、これも高そう……すげーお菓子の詰め合わせ……」
「花束のボリューム、開店祝い並みだな」
その豪華なプレゼントを見て、唖然としてしまった。
(これ……ぜんぶ、先生への……)
そっと自分のカバンの中をのぞく。
(やっぱり……ボールペンって、地味すぎたかな)
(ケーキも私が作るより、有名店のを買った方がよかったのかも)