• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」


「私が……夏油さんに会ってしまったからですか?」

 

その名を口にした途端、クレープを食べていた先生の手が止まる。



「……そういえば、そうだな」

 

五条さんがぽつりと呟いた。

 

「は未来で、傑にはまだ出会ってないんだろ?」

 

私はゆっくりと頷く。

 

「……はい」

 
(私にとって夏油さんは、先生の記憶でしか知らない人だった)

 
五条さんが腕を組みながら、少し眉をひそめた。

 

「と傑がこの時代に知り合ったことは、“未来”に影響してるかもしれないってことか」

「……」



先生はしばらく沈黙した後、ようやく答えた。

 

「うーん……その可能性は確かにある」

「この時代の傑は、当然だけどを知らない」



私は無意識に自分の胸元を押さえていた。


(やっぱり、私のせい……どうしよう)


けれど、先生は顔を上げてきっぱりと言った。



「でも、そうだとすると、おかしいんだよね」

「おかしい……?」

「だってさ」

「もしそれが原因で未来が変わったなら、僕はもう“帰れてる”はずなんだよ」



その言葉に、思わず視線を上げる。
先生は目隠し越しにじっとこちらを見つめていた。

 

「と傑が会ったことで、“未来が変わった”として……縛りが働き、“戻れない”のは筋が通る」

「でも、それってだけに作用する話であって、僕は影響を受ける理由がない」



(確かにそうだ。それが原因なら、先生は戻れるはずなのに)


先生のその言葉に、私はようやく気づき始める。



「じゃあ……私と先生に関係する何かが変わってしまったってことですか?」



問いかけた私の声に、先生はゆっくりと頷き、横に立つ五条さんの方へと視線を向ける。
その視線を受け止めるように、五条さんが口を開いた。

 

「……俺が、を好きになったからか?」



頬が急に熱を帯びるのがわかった。
目を見開いたまま、私は彼の顔を見つめてしまう。


けれど、私はひとつの疑問が浮かんだ。
/ 194ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp