【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」
「私が……夏油さんに会ってしまったからですか?」
その名を口にした途端、クレープを食べていた先生の手が止まる。
「……そういえば、そうだな」
五条さんがぽつりと呟いた。
「は未来で、傑にはまだ出会ってないんだろ?」
私はゆっくりと頷く。
「……はい」
(私にとって夏油さんは、先生の記憶でしか知らない人だった)
五条さんが腕を組みながら、少し眉をひそめた。
「と傑がこの時代に知り合ったことは、“未来”に影響してるかもしれないってことか」
「……」
先生はしばらく沈黙した後、ようやく答えた。
「うーん……その可能性は確かにある」
「この時代の傑は、当然だけどを知らない」
私は無意識に自分の胸元を押さえていた。
(やっぱり、私のせい……どうしよう)
けれど、先生は顔を上げてきっぱりと言った。
「でも、そうだとすると、おかしいんだよね」
「おかしい……?」
「だってさ」
「もしそれが原因で未来が変わったなら、僕はもう“帰れてる”はずなんだよ」
その言葉に、思わず視線を上げる。
先生は目隠し越しにじっとこちらを見つめていた。
「と傑が会ったことで、“未来が変わった”として……縛りが働き、“戻れない”のは筋が通る」
「でも、それってだけに作用する話であって、僕は影響を受ける理由がない」
(確かにそうだ。それが原因なら、先生は戻れるはずなのに)
先生のその言葉に、私はようやく気づき始める。
「じゃあ……私と先生に関係する何かが変わってしまったってことですか?」
問いかけた私の声に、先生はゆっくりと頷き、横に立つ五条さんの方へと視線を向ける。
その視線を受け止めるように、五条さんが口を開いた。
「……俺が、を好きになったからか?」
頬が急に熱を帯びるのがわかった。
目を見開いたまま、私は彼の顔を見つめてしまう。
けれど、私はひとつの疑問が浮かんだ。