第8章 7章
「燕先生。…もしやお忙しかったのでは?」
一通りの今後のストーリー展開を打ち合わせして一息つくとそんな風に小野先生から言われた
「え、、、そんな事ありませんけど。どうしてです?」
「あ、いや。……少しお顔がお疲れの様子でしたので」
少し苦笑いしながら、隈が出来てます。と覗き込まれた
「無理を言ってしまったのでしょうか?」
「い、いえ!そんな事は!!あの……筆が乗ってしまって」
事実なのでそう言うと、なるほど!と笑顔に戻る
「そのお気持ち。よく分かりますよ。僕もありますよ。そういうこと。ですが…」
「……はい?」
近づいて来たので少し遠ざかる
「そういう時は遠慮なく日時を変更していただいて構いませんからね。貴女の負担になってしまうなら意味がありませんから」
ニコッと笑って言われて
あ、この人にそういえば口説かれてたんだ。と思い出した
「てことで!今日はお開きにしましょうか」
「へ?」
「本当はまた前回のバーでもお誘いしようかと思ったのですが。なんでも新作のカクテルが女性に人気だとバーのマスターに教わったんですよ」
朗らかに笑って会計を済ませる小野先生
「あの、、先生。今日もご馳走様です。………あの!!」
「なんでしょう?」
外に出て冷たい風が顔に刺さる
「私、、まだ大丈夫です!……それに!その新作カクテルとっても気になります」
とにかく飲みたい
そんな気分で
分かってくれ!とばかりに見つめる
「……分かりました」
少し含みがある素振りで言われて
「今は酔ってはいませんか?」
「はい」
頷くと肩を抱かれて
「寒いですから。早くタクシー乗りましょう」
急いでタクシーを拾って
バーに向かった
バーに着くと前回と同じ場所に案内されて
注文は小野先生にお任せ
出てきたカクテルは透き通るブルーで
味はグレープフルーツの風味がした
「とっても飲みやすいです!」
「それは良かった。好きなだけ楽しんで下さいね」
その言葉に甘えて、飲み終わった後も小野先生にメニューの見方や味の違いなどを聞いておすすめや挑戦的なものまで色んな物を楽しんでいたら
気付いたら結構酔っ払ってしまっていた