第13章 ・探究
「へえ、流石マスター……このギターに合う弦に張り替えてたのか」
「そう言う事だ。因みにこれは、Eフラット専用の弦なんだよ。あのギタリストは殆どの曲を、半音、若しくは一音下げて弾いてたんだ。チューニングが難しかったら何時でも見るからな。ロキさんもいるし」
「そうだな。それにこいつにはおれの他にも、ギター弾ける友達がいるみたいだから……まあ、その辺は大丈夫だろ」
ロキは笑顔でそう言いつつ、初心者向けの教則本と本革の黒いギターストラップを手に、店主に渡した。
「ついでにこれも頼むよ」
「おっ、ロキさんも買い物かい?」
「おう、こいつはBrotherへのプレゼントだ」
ロキの言葉に、ゾロは目を丸くする。
「おい、いいって……ギター代も立て替えて貰らうってのに……」
「何言ってんだ、お前はおれのバンドのギタリストになるんだろ?これは、おれからの激励の品だ……そんな高価なモノじゃないが、受け取ってくれよ」
「……そうか……本当に、ありがとな」
「おう!しっかり練習して、おれのバンドのカオスで邪悪なスーパーギタリストになってくれよ」
口端を上げるロキのその言葉に、ゾロは真顔で頷いた。
店主からギターケースを受け取り、左手に持つ。
ロキの手には、ゾロが昨日購入した銃が入ったレザーバッグと、店主から受け取った紙袋がぶら下がっていた。
店主はゾロに、笑顔を向ける。
「また何時でも遊びに来いよ。ギターの調整、メンテナンスも何時でもやるからな。練習、頑張れよ」
「ああ、色々本当にありがとう。また来るよ」
店のドアが開いた途端、外の光がギターケースの金具に眩しく反射する。
憧れのギタリストのギター……その口端は、自然と上がって行った
「Brother、随分と楽しそうじゃないか」
ニヤリと笑って言うロキに、ゾロは何時になく声を弾ませて答える。
「あ?だってよ、凄えギター手に入れたんだぜ。まさか、あの店にあると思ってなかったからな……ロキ、本当ありがとな。金は後で、きっちり返すからよ」
「金の事は心配すんなって。その代わり頑張って練習して、カオスでイカしたギタリストになってくれ。楽しみにしてるからよ」
「ああ、勿論だ……約束するよ」
「しっかし……おれも暫く店に行ってなかったからなあ……そいつが売ってるとは思ってもみなかったぜ」
