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魔王之死刀

第13章 ・探究


 そんな彼に、ロキが微笑む。

「そいつは型破りの天才だった……ギター理論云々よりも、カオスで凶暴、そしてカッコ良さをとことん追求した。パンクの精神……強い信念を持ったギタリストだった。Brotherが考えた『三刀流』も、それ迄の剣の常識を破った流派なんだろ?……なんかよ、その辺似てるじゃねえか。Brotheなら、凄えギタリストになれるぜ、きっと」

 聞いたゾロは苦笑しながら、またギターを弾き始めた。
 その目は既に新たな目標を見据え、輝きを放っていた。
 
(……あのギタリストには遠く及ばねえが……何時かあのギタリストの様に……おれぁ、ひたすら修業するだけだ)

 店主は彼の姿を目にしつつ、一つ頷くと、カウンターの奥へ。
 暫くして、何やら品物を幾つか抱えて戻って来た。
 数分後、弾き終わったゾロは、ギターを丁寧にクロスで拭き始めた。
 そんな彼に店主は声を掛ける。

「ほら、これ。手入れ用のクロス、専用の潤滑剤、ピック十枚……奴が使ってたのと同じ、ダンロップのトライアングル.73mmの無地のものだ。それと替え弦のセット二つ……そのギターに張ってる奴と同じ、ダンロップの.009-.042の弦だよ。それからこれは、電子メトロノーム。小さくて服に付けられるから、場所を取らない優れモノだぞ。大サービスだ、遠慮なく持って行きな」

「こんなに沢山……いいのかよ」

「勿論さ。ギターは奥が深くて難しいが……続ける事が一番大事だからな。ちゃんとリズム刻んで、沢山練習しなよ」

 店主はそれを厚手の紙袋に入れ、ゾロに差し出す。
 おまけの多さに彼は驚きつつも口端を上げ、有り難く受け取った。

「……ありがとう。頑張って練習するよ」

「ギターは『楽しみつつ毎日継続して弾く』事が何よりも大事だ。そのうち、チューニングも自分で出来る様になる」

 店主の言葉を噛み締めつつ、ゾロはゆっくりと立ち上がった。
 ギターを店主に預けると、彼は専用のケースに大事に仕舞い込む。

「あれ?そう言えば、マスター……そのモデルって元々D'Addarioって弦じゃなかったっけか?」
 
 ロキの疑問に、店主は笑って答える。

「流石ロキさんだね。こいつがうちに来た時に、この弦に張り替えたのさ。あのギタリストは後期、ダンロップの弦を使ってたからね。このギターには最適だし、手に入りやすいからな」
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