第9章 雄英体育祭
場外から、観客たちが息を呑む。
観客1「すげぇ…なにあれ…!?」
観客2「スピードが…速すぎて、何が起きてるのかわかんない…!」
観客3「てか、あれ…戦闘スタイルがプロじゃん…」
マ「キタキタキターーッッ!!繋原ぁぁぁ選手、開幕から一切の溜めなしッッ!まさに"静寂からの牙"だぁぁぁ!!」
相(あいつ、抑えてねぇな……)
は、動きを止めずに体勢を低く保ったまま、さらに左手を地面に触れさせた。
その瞬間――
リングの端が“消えた”。
緑「っ……!?」
リングの一部がまるで欠けるように消失し、デクの踏んでいた足場がわずかに崩れた。
“落とす”ための布石だ。
緑(こっちの動き、誘導されてる……!まずい、これは……)
(落ちて)
その瞬間、デクが跳んだ。
まるで未来を予測していたかのように。
(…やっぱり、緑谷くんは…反応が一手先をいく)
そして、空中。
風を裂くような気配とともに――
“反撃”の第一撃が放たれる。