第9章 雄英体育祭
マ「おぉぉぉぉぉぉぉっとぉぉ!!来たァァァァァァ!!!ガチンコォォ!!!!!“拳”と“風”の大・激・突ぅぅぅぅぅ!!!!!」
観客たちもマイクの実況と共に熱くなる。
観客1「なに今の……爆発か!?」
観客2「拳と風がぶつかって、こんなことになる!?」
観客3「もうプロじゃん!!てかどっちが倒れてるの!?」
マ「砂埃で何も見えませんッ!!視界ゼロッ!!これは……!!」
そしてA組の応援席は、すでに“祭り状態”だった。
上「どっちもやべぇぇ!!」
芦「ヒーロー科のレベル超えてない!?」
耳「鳥肌立った……」
瀬「いやいやいや、あんなのモロ当たってたら死んでるって……!!」
切「どっちもすげぇ…!!こっちまでアツくなるじゃねぇか!!!」
八「繋原さん……あの技術、戦術、すごすぎますわ……!」
麗「……2人とも、本気……!」
飯「なんという応酬だ……!!騎馬戦までとはまるで別人のようだ……!!」
その中、1人だけテンションの方向を間違えた者がいた。
峰「行けぇぇぇ!緑谷ぁぁぁ!!そのまま繋原の服をボロボロにしちまえぇぇぇ!!!」
……一瞬で空気が凍った。
耳「……は?」
芦「……最低」
八「この状況で何を言ってますの!?」
麗「きもっ!!」
上「おまっ…もう黙っとけ!」
上鳴は峰田の口を塞いだ。
蛙吹からは無言のパンチを喰らっていた。
そして砂埃が、ゆっくりと晴れていく――
……リングの中心に立っていたのは、だった。
だが、彼女の右手から、手袋が滑り落ちていた。
服の袖も破け、そこから覗いたのは――
無数の“傷跡”だった。