第9章 雄英体育祭
再び、が走る。
低く、鋭く――
霧のように分子をばらした身体が、再び“滑り込む”。
床材のわずかな段差を突いて、横から、下から、突き上げるような斜めのラッシュ。
だが、今のデクは違った。
緑(さっきの攻撃パターン…!これも…読める!!)
目を見開き、ギリギリの反応で避ける。
の拳が紙一重でデクの頬をかすめる。
緑(避けた…けど、体勢が……!)
追撃が来る――!
だが、その瞬間、
緑「デラウェア……ッ!!」
再び、指先から放たれる“風圧”。
緑「スマァァァッシュ!!!」
空気が爆ぜた。
だが――
も、すでに“迎撃”の構えに入っていた。
(やばい、でもこの距離なら――)
全身を“適性化”。
筋繊維、関節角度、皮膚の硬度、すべてを衝撃を放つための最適解に調整。
打つ――!
彼女の拳が、デクの風圧と真正面からぶつかる!
ゴォッッ!!!
まるで爆発のような轟音。
「っっ!!!」
拳と風の交錯地点が、白く閃いたかと思うと――
リング中央に、巨大な砂埃が巻き上がった。