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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第29章 「善意の逆理 Ⅱ**」


コンコンと控えめなノックの後、ゆっくりと扉が開く。



「家入」



廊下の明かりを背にして、須和先輩が入ってきた。



「……先輩。どうしてここに」

「ちょうど高専に報告に来ていてね。……それで、さんが運ばれたと聞いて」



須和先輩の視線が、ベッドで丸くなるへと注がれる。



「……っ、ぁ……」



の苦しげな吐息が、部屋に落ちる。
何も見えず、何も聞こえていないはずの彼女が、近づいた須和先輩の気配に反応するように身をよじった。


先輩の顔が、さっと青ざめていく。
あまりにも痛々しいの姿に、完全に言葉を失っていた。



「……どうして、こんなことに」



私はの乱れたシーツを掛け直しながら、小さく息を吐き捨てた。



「術式で五感を無理やりいじられたと聞いています。それに、薬も使われた形跡がある」

「……」

「ただ、私が理解できないのはここからです。術式そのものは、もう完全に解けているはずなんですが……後遺症なのか何なのか。正直、手の打ちようがない状態です」



先輩の表情がさらに険しくなり、強く拳を握りしめる。



「……私のせいだ。私があの時、無理をしないでと彼女にもっと強く言っておけば……」



違う。
先輩が……いや五条がそう言ったっては一人で踏み込んでいただろう。



「先輩のせいじゃないですよ」

「だが……」

「は呪術師です」



私は先輩の言葉を遮るように、はっきりと言った。



「自分の危険も顧みず、たった一人でも生徒を助けに向かったんです」



誰のせいでもない。
これはが自分で選んで、最後まで諦めなかった結果だ。



「……っ、あ……ぁ、ぁっ……!!」



突然、が大きく身を反らせた。
焦点の合わない目が見開かれる。
浅い呼吸が、途切れ途切れにこぼれていた。



「さん!」
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